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桐だんす

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帰る場所

K2の氷室と一人の漫画1枚目
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ドアをコンコンとノックする手
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ノックする手はそのままに、壁にもたれながら「邪魔するぜ」と言っている氷室。手前には一人の頭が見えている。
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椅子に肘をかけながら振り向いている一人。
一人「ノックの前に開ける奴があるか」氷室「いいだろケチ」
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腰に手をあてながら部屋を見回す氷室。
氷室「お前の部屋も変わんね―な。殺風景も殺風景だ」
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壁にUSAと書いてあるペナントを貼る氷室。
氷室「俺のアメリカ土産を飾っといてやろう」一人「……」
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振り向きながら洋酒の酒瓶を見せる氷室。
氷室「ほら、これも土産」一人「酒か」
K2の氷室と一人の漫画2枚目
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サイドテーブルをガタガタと移動させている氷室。
氷室「どーせイケるクチだろ?」
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ロックグラスを両手に持っている一人。
一人「酔うほどは飲まん」
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ベッドに腰掛けながら、一人に差し出されたグラスを受け取っている氷室。
氷室「限界量は?」一人「日本酒一瓶程度なら酔わずに済む」氷室「は???」
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酒の入ったグラスをぶつける2人の手。
氷室「乾杯」
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グラスを持ちながらベッドに腰掛けている2人。
氷室「改めてありがとうな、この目」一人「医者として当然だ」
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グラスを持った手で指さしながらいたずらっぽく笑う氷室。
氷室「医者は盲点に入ってまで無理やり執刀するかあ?」
K2の氷室と一人の漫画3枚目
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グラスに口をつける一人。
一人「友人だからな、お前が拒絶しても俺がやらなければいけない」
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神妙な顔で黙っている氷室。
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俯いてグラスを傾ける氷室。手前の一人は氷室を見ている。
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グラスをテーブルに置く氷室の手。
氷室「変わってほしくなかったのかもな」
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訝しげな視線を氷室に向ける一人。氷室はベッドの上であぐらをかいて俯いている。
一人「俊介?」
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両手を組んで不安そうに笑いながら話す氷室。
氷室「高校進学で実家ごと引っ越して…それから十年以上帰ってなかったんだ。この村に帰る場所なんてお前のいる家くらいしかないと思った」
K2の氷室と一人の漫画4枚目
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グラスに口をつけながら黙っている一人。
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ベッドに座る2人の足元とテーブル。
氷室「だからお前が変わっちまってたら、俺がここに帰る理由がなくなると思って…」
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2人の背中が並んでいる。
氷室「約束がなきゃ入れてもらえないと思って」一人「…帰る理由、か」
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目を閉じて苦笑しながらため息をつく氷室。
氷室「馬鹿だよな、十年経ってんだ。変わるに決まってる」
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中学生の頃の氷室と一人。
氷室「お前はあの頃よりずいぶんでっかくなった」
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氷室「この診療所も継いで、医師免許も貰った。俺だってアメリカで忙しさに揉まれて、ずいぶん大人になったもんだよ」
K2の氷室と一人の漫画5枚目
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氷室「だから変わってないものはあの約束しかないと思ってた」
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ばつが悪そうにテーブルからグラスを持ち上げる氷室。
氷室「お前にとっちゃ大したことないかもしれんがな、俺はそれを頼りに頑張ってきたんだぜ?」
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グラスに口をつける氷室。
氷室「一大事なんだよ」
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腕を組んでる一人と、きょとんとしている氷室。
一人「日向地区の南さん覚えてるか?」氷室「へ?」
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南さんとの思い出を回想している氷室。南さん家の縁側で駄菓子を食べながら座っている子供の頃の氷室と一人と、飲み物を差し出している南さん。
氷室「あ、ああ…よく駄菓子くれて食べながら喋ったりしてたな」
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微笑しながら話を続ける一人。
一人「お前が村を出たあと、俊介くんがいなくて寂しいとぼやいてたぞ」
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照れながら頬をかく氷室。
氷室「え!そ、そうかあ…」
K2の氷室と一人の漫画6枚目
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診察を受けている最終に新聞の氷室の記事を指差して話している患者と一人の回想。
一人「他にも、診療のついでに新聞記事を持ってきては、お前の活躍を誇らしげに話す人が大勢いる」
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驚いたように押し黙る氷室。
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診療所の机に肘を付きながら新聞を読んで微笑む一人。
一人「俺も、そんな記事を読みながら、勝手に励まされるような気がしていた」
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氷室「……一人」
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拳を握りながら真剣に語りかける氷室。
氷室「馬鹿、勝手にじゃねえよ。お前にちゃんと見えるように有名になってんだから!」
6
面映ゆい顔で笑う氷室。
氷室「…そうかあ」
K2の氷室と一人の漫画7枚目
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一人「それでも不安なら、新しく約束していけばいい」
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呆れたように一人を指差す氷室と、澄ました顔の一人。
氷室「…それ、約束破った方が言う台詞か?」一人「別にやりたくないならそれでもいいぞ」
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氷室「たまにふてぶてしいところは変わってないな」一人「フフ」
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腕を組んでう~んと悩む2人。
氷室「約束…そうだなあ…」
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一人「次にお前が帰ってくるまでに変わった土産話を十個用意しておこう」氷室「そんなんでいいのかよ」
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氷室「じゃあ俺は…」
K2の氷室と一人の漫画8枚目
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時が経ち、アメリカへ帰る飛行機の席で上着を脱ぐ氷室。
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上着からひらりと紙が一枚落ちたことに気づく氷室。
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拾い上げた紙に「たまには帰ってこい」と書いている。
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窓の外を眺めながら、柔らかく笑う氷室。
氷室「ちゃんと休み取らないとなあ」
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一人と氷室が指切りをしている回想。
「一人と遊びに行きたい場所を考えておく」
投稿日: 2023-11-12作成者 桐とろカテゴリー その他ジャンル, 漫画タグ K2, 氷室俊介, 神代一人

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